めっちゃ人気 濃~い抹茶

茶畑にうもれて、民家あり

緑一面の茶畑に出合うには下調べが大切だ。黒いシートがかぶせられていたり、すでに収穫され茶色い枝が目立ったりするからだ。新芽が鮮やかな茶畑を探していた同僚と「作り手とお茶が一体化している」というお薦めの場所へ向かった。茶畑のうねる形を考え、斜面とわかるよう撮影した。茶畑の中には入らないよう注意した。(新井善顕)2026616日(火)朝日新聞夕刊 

京都、大阪市内から車で約1時間半。新緑に覆われた国道を行くと、山の斜面に茶畑が姿を見せる。茶摘みが始まる5月、茶の新芽はみずみずしく、薫風に揺れて輝いていた。

 京都府で唯一の村・南山城村は、人口約2300人で過疎が進む。そこに、年間62万人が訪れる店がある。道の駅「お茶の京都 みなみやましろ村」だ。

 村のお茶の年間生産量は約425トン(2025年度)で、和束(わづか)町に次ぐ府内第2位の主産地だ。だが、収穫したお茶は「宇治茶」として流通するため、村の知名度は低かった。自分たちのお茶を消費者に直接届けようと17年4月、道の駅をオープンした。

 地元の煎茶や、かぶせ茶(煎茶と玉露の中間)などを、「村茶」のブランド名で直売している。主力は抹茶で、関連商品も豊富だ。一番人気は、最高級品種「おくみどり」の春摘み一番茶を使った「抹茶ソフト」。濃い緑で、多い日は1400本売れる。

 低温でじっくりと火入れした抹茶味とほうじ茶味がある「むらちゃプリン」も売り切れ必至だ。食堂では、抹茶の衣で揚げた天ぷらなどが並ぶ「お茶づくし御膳」が楽しめる。

 開発した商品は50種以上。村が100%出資する運営会社「南山城」の従業員が、自ら考案した。大部分は、店内の加工場で時間をかけ、丁寧に手作りしている。

 抹茶を惜しみなく使った商品が買えると評判を呼び、24年と26年春発行の雑誌「道の駅 最強ランキング」で全国1位を獲得した。今年2月には、あべのハルカス近鉄本店(大阪市)に直営店を構え、「デパ地下」進出も果たした。

 年間売上額は7億円にのぼり、村の税収(3億7千万円)を超える。従業員数も70人と、企業が少ない村内で雇用の受け皿にもなっている。

 村出身で、運営会社「南山城」社長の森本健次さん(59)は「『お茶しかない』が、自分たちには『お茶がある』という誇りに変わった」。今後も「お茶の一点突破」にこだわる。(平岡和幸)

👆心に残った新聞記事の切り抜きを集めた箱の中から……。2026年6月16日朝日新聞夕刊

 


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