ジョニイへ 最後の伝言 山浦祐介
ジョニイへ 最後の伝言 山浦祐介
有終の美、では足りない気がする。劇的で、鮮やかで、圧倒されるフィナーレだ。
髙橋真梨子、最後のステージを収録した「LIVE EPILOGUE~Last Tour Encore~」(ビクター)が発売された。歌手活動こそ続けるものの、ライブからは身を引くと表明し、2022年からラストツアーを敢行。しかし惜しむ声が止むことはなく、昨年10月アンコールツアーがスタートし、5月に東京国際フォーラムにて終演を迎えた。本作はその最終公演、2枚組のライブ盤となる。
寂しさを力に
出だしはソロ活動の原点「あなたの空を翔びたい」そして「桃色吐息」で一気に彼女の世界に引きずり込む。
最初のMCでは「とうとう最後になってしまいました…」と寂しげな表情も見せるが。ペドロ&カプリシャス時代の「五番街のマリーへ」を披露すると、会場もグッと温かくなるのが分かるだろう。
愛するジャズスタンダードのあとは、「旅の宿」「時の過ぎゆくままに」といった名曲をカバー。
ZIGGYの「GLORIA」からはロックな展開を見せる。同時代を生きたファンと一緒に楽しみたい選曲となっている。
最大のヒット曲「ごめんね…」と「for you…」から、鎧(よろい)が一つ、また一つ落ちるように、だんだんと声が地声に近づいていく。それが裸になった瞬間、流れるのは「別れの朝」だ。
本物だ。思わずつぶやいた。
恋や別離は、歌い手からすれば孤独を描くことに他ならない。高橋真梨子はそこに寄り添ったシンガーだ。何より寂しさが力になることを知っていた。
時代の扉が開かれて、風が吹き抜けるような余韻。そして「ジョニイへの伝言」と「ランナー」で、彼女のステージ人生は明るく幕を閉じた。
これはジョニイだったあなたへ、最後の伝言だ。いろいろあったけど、けっこういい人生だったじゃない?そんな笑顔も見えてくる。切なくも温かい結末をご一緒に。(音楽ライター 山浦祐介)
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