ぬ・か・づ・け注意し転倒予防
「転んで骨折した」という高齢者の話をよく聞きます。
高齢者の転倒・転落事故は交通事故より多く、その6割近くが自宅など家の中で起きています。転んで亡くなる高齢者は交通事故の死者数の3倍に上ります。加齢によって体力が落ち、運動機能が低下すると転倒リスクが高まります。ひっくり返って頭を強く打つと脳を損傷してしまいます。転倒はまさに命の黄色信号です。「老化は脚から」といわれますが、脚だけの問題ではなく、運動機能や身体機能全体が衰えていくということです。東京健康リハビリテーション 総合研究所代表理事・所長 武藤 芳照さん
ぬ・か・づ・け注意し転倒予防
家の中の転びやすい場所を「ぬ・か・づけ」と呼び、注意喚起しています。
ぬ=濡れた場所(水回り付近、浴室)
浴室は床面がぬれているため、特に滑りやすい場所です。浴槽の出入りの際、自分では足を上げているつもりなのに、実際には上がっておらず転倒してしまう。浴槽に胸をぶつけて肋骨(ろっこつ)を骨折する事故も多々起きています。手すりを付けると安心です。台所も滑りやすい場所です。野菜の切れ端に足をとられたというケースも多いです。
か=階段や段差
階段を下りる時は勢いがついているため、最後の一段で転倒する事故が多いです。手すりを付ける時は、最後の一段まで伸ばしましょう。玄関も転倒リスクが高い場所です。履物を脱ぐ時、片足立ちになりバランスを崩しやすいからです。椅子などを置き、座って脱ぎ履きしましょう。
づけ=片づけていないところ
床にものを置かないようにしましょう。特に包装紙と新聞のチラシは滑りやすいので整理しましょう。じゅうたんに足を引っかけて転ぶ事故も多いので、裏にテープを貼り、めくれないようにしましょう。
転倒予防で私がお勧めするのは、周囲の人に転倒した時のエピソードを聞くことです。いつ、どこで、どんなふうに転んだのかを聞くことが予防の参考になります。
体動かす楽しさ
今、求められていることは?
体を動かす楽しさを、子ども時代から認識してもらうことです。
朝起きてから寝るまでの一つひとつの体の動きが大事だし面白いと知ってほしいですね。
つまずくこと自体は一つの現象にすぎません。
たとえつまずいても、とっさに身体を支えられれば、転ばずにすみます。転んだとしても重いけがを防ぐことができます。家事などでこまめに体を動かすようにしましょう。
転倒は、人間にとって宿命的な事象で、気をつけていてもゼロにはできません。転んだら起きればいい。90代になってもトレーニングによって身体の機能は向上します。人生七転び八起きです。
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