戦争を詠む 朝日新聞朝刊朝日歌壇より(毎週日曜日掲載)
朝日歌壇(毎週日曜日朝刊)の入選歌(選者は、川野里子さん、高野公彦さん、佐佐木幸綱さん、永田和宏さん)より、戦争を詠んだ歌を、わんちゃんが独断で選り抜きを。 ☆⇒共選作 2025年6月 6/1 6/8 6/15 6/22 6/29 川野里子選 こんなにも骨の浮き出る身体して笑うごと見ゆガザのみどりご(観音寺市)篠原 俊則 【評】飢餓状態にあるガザ。それでも嬰児(えいじ)は笑おうとする。報道画像から独自なものを見取った。 ☆小学生の真つ直ぐな瞳が見つめ居り「風通し」さるる原爆死没者名簿(鹿嶋市)大熊佳世子 空すべて鳥のトイレと思うとき空にも地にも自由なき戦地(河内長野市)平岡 章子 【評】鳥が自由に糞(ふん)をする空も地も戦地の人にとっては危険なのだ。 地下鉄の階段下から声がするあれは空爆から逃げた人々(石川県)瀧上 裕幸 【評】入ろうとする地下鉄に戦地の映像が重なってしまう。 戦死者の星印ある墓のめぐり除草剤撒くアメリカ製の(関市)武藤 修 佐佐木幸綱選 ミサイルが飛び交ふ空に月は浮くキーウの早朝ガザの真夜中(神戸市)益田 信行 高野公彦選 今もまだ戦後と言おう伊江島に二十人分の遺骨見つかる(本巣市)青木 鈴子 銃、兵士、戦車を描く片隅に青と黄の旗添える子供ら(中津市)瀬口 美子 ドローンの無数に飛び交う戦場を思いつつ見上ぐ遊覧のヘリ(魚沼市)磯部 剛 ☆小学生の真つ直ぐな瞳が見つめ居り「風通し」さるる原爆死没者名簿(鹿嶋市)大熊佳世子 【評】原爆で亡くなった多数の命に思いを馳(は)せている真剣な児童らの眼差(まなざ)し。 「地球より命は重し」と言ひ継がれ千三百のガザの子ら死す(稲敷市)坂元 善典 永田和宏選 一人の子に親の記憶を残せずに征ったひとりの父を悲しむ(岡山市)山本 昌子 【評】子である自分に一切の記憶を残さないままに、出征して亡くなった父。そんな父が、そして子がなんと多くいたことか。 気づかれぬよう戦前ににじり寄るごとき学術会議法案(観音寺市)篠原 俊則 【評】学術会議法人化法案は、知らぬ間に戦前への回帰の危険性があると警告。 配...