2025年7月6日日曜日

(天声人語)カラゴン事件80年

  『高崎市史』と題した分厚い本のページをめくる。戦時中、群馬県のこの地にあった旧日本軍の215連隊についての記述を読む。部隊が派遣されたのはいまのミャンマー、当時のビルマの戦線だった。カラゴンという村で、事件は起きた▼1945年7月7日、ちょうど80年前の日の夕刻のことである。日本の兵隊は村に入り、尋問を始めた。英軍を支援していないか。厳しく住民を問い詰めた。翌8日、1千人ほどの村民のうち、600人以上が虐殺された。子どもも、老人も、女も男もいた。後に兵士たちは村に火を放った▼英国による戦後の裁判の記録が、市史にある。被告となった大隊長らは、殺戮(さつりく)の事実を認めている。ただ、それは一部の村民の敵対行為に対する「合法的な報復」だと主張した▼林博史著『裁かれた戦争犯罪』によれば、大隊長は公判で、なぜ幼児の命まで奪ったのか、と問われている。「時間を節約し、私の任務を遂行するため」だったと彼は答えた。上官からの命令には「子どもたちを殺すことも含まれていました」▼戦後80年のいま、事件を覚えている人、知っている人はどれだけいるだろう。戦争の被害の記憶さえ、継承は簡単でない。ましてや加害の歴史は、よほど意識しなければ、いとも容易(たやす)く消えてしまう▼きょう7月7日は、1937年の盧溝橋事件が起きた日でもある。日本はこの衝突を機に、暗く悲惨な中国との戦いに、のめり込んでいく。これもまた、忘れてはならない歴史である。

2 件のコメント:

  1. ラッキーセブンの日の大事件(T-49) 7月21日

    今年の七夕の日は、令和7年7月7日と7の数字が3つ重なる幸運の日です。
    しかし、80年前のビルマのカラゴン村では悲惨な大事件が起こったと天声人語はのべていました。・・私はこの事件のことはしりませんでした!!・・・
    教科書にでてくる「盧溝橋事件」も昭和12年(1937年)7月7日に発生した大事件です。
    今の中国の北京市で88年前の大事件の追悼の式典が行われたと新聞・テレビ等で報道されました。
    ラッキーセブンのコトバは野球から発生したとされ、野球の試合の7回目(イニング)に過去の大リーグの試合で、奇跡のような幸運なホームランが出てその試合に勝利したことに由来するという。洋の東西を問わず「7」の数字や日は「幸運」の意味があるらしい。
    例えば、大正7年(1918年)の生まれの方は、平成7年(1995年)7月7日に喜寿77歳を迎え、令和7年(2025年)の7月7日に107歳と「7」が重なる長寿を体験した幸運な方がいるらしい!!
    ところで、7月の月には大事件がありました。古くはアメリカ独立戦争(1776年7月4日)、フランス大革命(1789年7月14日)、人類最初の原爆実験(1945年7月16日)、最近では、京アニメ放火事件(2019年7月18日)など、なぜか7月に大事件が発生しています。
    また、7月7日生まれの有名人も沢山おられます・・・ピエール・カルダン、作曲家のマーラ、タレントの研オナコ、ビートルズのリンゴ・スター、円谷英二さんなどです。
    私は、悲惨な事件よりも、極楽浄土の世界に遭遇したいと思っていました!!

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  2. 「こんなことがあったんやで」と後世に語り繋いでいくことが私たちの使命だと。

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